セキュアOS、6種の紹介

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プライバシー保護を重視したOSの需要は徐々に高まっており、様々リリースされていますが、その中から6種とりあげてみます。

これらのOSについては解説記事を別に執筆予定です。

どういうもの?

“セキュア”なOSとは何か。

実のところ、セキュアOSというのは、正しい表現ではないとされていますが、日本語ではセキュアOSが一般的な呼称です。

ここで言うセキュアなOSとは、「ユーザの保護に積極的なOS」ということにします。

  • プライバシー保護に力を入れている
  • ウイルス対策に強い

などの特徴を持つものをセキュアOSと考えています。

一覧(6種)

1. Qubes OS

プライバシー保護・ウイルス対策に、非常に有効なOS。

全ての通信はTorを経由させることが可能です。Qubes OS最大の特徴は、それぞれのアプリケーションを独立して動作させていることにあります。

「Xen」という仮想化技術を利用しており、例えば「ブラウザ、メールソフト」をそれぞれ仮想的に、独立した環境で実行させることができる仕組みです。

こうすることで、もしブラウザ側がウイルス感染などで被害を受けたとしても、PC本体や同時に利用していたメールソフトには、影響を与えない仕組みになっているのです。

ただしLiveUSBを使うのはサポートされておらず、Qubesをインストールする手間がかかります。

2. Tails

プライバシー保護に特化したOSです。すべての通信をTor経由で行います。また、初期状態で日本語対応しています。

USBメモリから起動することを前提に作られたOSで、インストールする必要がありません。どこでも売っているUSBメモリを買ってきて、そこへTailsを入れるだけです。

Live起動をするので、利用した痕跡がコンピュータに残りません

だから万が一、利用者を監視するようなスパイウェアがインストールされたとしても、再起動すればリセットされるので安全です。

再起動のたびにリセットはされますが、もちろん、データを保存することが可能です。

Tailsの利用については改めて記事を書く予定です。

3. Whonix

VirtualBoxのような仮想マシンで動作させるためのOS。ちょっと他とは違います。

Whonixは全ての通信をTor経由で行うことができ、また、インストールする必要がありません。また、DNS漏れが存在しないOSです。

さらに、他の様々なLinux OS(Ubuntuなど)をTor経由のOSにすることができます

WindowsやMacなどのパソコンにVirtualBoxという仮想マシンソフトを入れて、そこで使うものであり、新しいパソコンも要らないし、USBメモリも要りません。

そして仮想マシン上で動作しているので、その中で起きる出来事は、利用しているWindowsやMacパソコンには影響を与えません。

4. Discreete Linux

プライバシー保護に特化したOSです。こちらもTails同様、USBメモリから起動することができるOSで、再起動のたびにリセットされることを売りにしています。元Ubuntu Privacy Remix。

トロイの木馬や様々なスパイウェアなどからアクセスできない、独立したローカル環境を作り出すことを目的に作られています。

また、用意されているOSをそのまま使うだけでなく、自分でビルドすることも簡単なように作られているらしく、全てを自分のコントロール下で行うことができるOSの一つです。

また、プロフェッショナルではない人にも簡単に、プライベートな環境を使えるようにすることを目標にしており、使い勝手も惡くないものです。

5. Subgraph OS

まだアルファ版です。

「OZ」というサンドボックスシステムを持ち、Qubesの様にそれぞれのアプリケーションを独立させて動かすことができるので、ウイルスやリモート攻撃による影響を最低限(あるいはゼロ)に抑えます。

通信はTorを経由させることができるし、Qubes OSとも結構似ているかな。

6. IprediaOS

上記のOS達と違い、Torではなく「I2P」を使ったインターネット接続を行います。

I2P向けのメールソフトやBitTorrent、IRCクライアントなどが予め用意されているので、匿名での活動を補助してくます。

Live起動も可能なので、簡単に使えます。Fedoraベース、GNOMEデスクトップ環境を備えています。

最大の欠点は、I2P以外のサイトを閲覧できないこと。これがTorと大きく異なる点ではありますが、匿名にメールやメッセージのやり取り、ファイル送受信等を行うには問題ありません。

まとめ

「Qubes OS」と「Tails」の2つは人気も高く、広く普及しているOSです。

特にTailsは初期状態から日本語に対応しているので1番簡単に使うことができます。

Linux OSは、WindowsやmacOSなどの一般に広く普及しているものに比べてそもそもウイルス被害のリスクが低いのもメリットです。ぜひ、いろいろ試してください。

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